どんな仕事でも、報告・連絡・相談は大切ですよね。
それは介護においても同様です。
介護での報告・連絡・相談には、どんな目的や注意点があるのでしょうか。
今回は、介護における報告・連絡・相談について、その目的と注意点を解説していきます。
介護での報告・連絡・相談の目的
介護の仕事は、多職種・職員のチームワークの上に成り立っています。
利用者一人ひとりには、個別に介護サービス計画書が作成されており、その計画に基づいて支援がなされていきます。
そのため、介護職員一人の勝手な判断で物事を進めてしまうと、チームケアは成立しません。
介護の仕事は、一人で行う業務であったとしても、チームで働いているという意識を持ち、必要な情報を共有することを心掛けることが大切です。
そして、何か課題や問題点が発生した時には、報告・連絡・相談をしっかり行うことが重要になります。
報告の目的
報告の目的は、介護職員が業務上、知りえた情報や介護実践計画、その結果などを、職場のスタッフや家族、関係機関などに伝えていくことです。
口頭または記録によって報告し、必要な指示や連絡を受けた場合には、チームのスタッフなどにその内容を正確に伝達し、情報の統一を図る必要があります。
連絡の目的
連絡には、介護現場間の連絡と、利用者の家族や関係機関などとの連絡があります。
必要な相手に確実に連絡を取っていくことが必要です。
特に利用者本人や家族などとは、誠実な態度でこまめに連絡を取り合うことで、信頼感や連携を深めていくことにつながります。
相談の目的
日々起こる事例や介護方針、利用者の状態について、どのように考えるべきかを他職種や家族などに相談することで、より良い方向に進むことができます。
先輩や上司、同僚などに仕事の進め方や悩みを相談したり、助言を得ることで、一人で抱え込まずに業務に取り組んでいく手助けにもなります。
介護での報告・連絡・相談の注意点
報告・連絡・相談は、以下のような注意点を意識して実践していきましょう。
事実を正確に伝える
事実はありのままに、自分の推測などは入れずに正確に伝えましょう。
また、誰に・何を・どのように報告・連絡・相談するのかについても、しっかり確認して正確に伝わるよう努めましょう。
報告内容を整理して簡単明瞭に伝える
内容の道筋と要点を整理してから、報告・連絡・相談をするようにしましょう。
また、「客観的事実」と「そのことに対する自分の判断・考え」をまとめ、整理して伝えることも大切です。
トラブルや事故・苦情について
どんなに気を付けていても、トラブルや事故・苦情は起こってしまうことがあります。
その事実を隠さずに、またその現場で変に取り繕ったりせずに、上司や責任者に速やかに報告することが重要です。
指示を仰ぎ、的確に対応していくことで、その後のより良い関係につながっていきます。
報告・連絡・相談の重要性を実感した体験談
デイサービスでの送迎中は、ご利用者様と色々なお話をします。
送迎中に一人のご利用者様が、田植えの風景を見ながら、「昔は田んぼの世話が忙しくて大変だったんだよ。体が動くならまたやりたいね。」と話されたことがありました。
もしかしたら特に報告するような内容でもないのかもしれませんが、こんな思いを持っていらっしゃると、フロアリーダーに口頭で伝えたところ、リーダーや生活相談員などで検討していただき、レクの一つとしてプラスチック容器を用いた田植え~収穫までを行うことになりました。
ご利用者様は大変喜ばれ、笑顔でレクに取り組まれてる様子を見て、とても嬉しかったです。
介護度にかかわる内容や、ケアプランに組み込むほどの内容でなくとも、ご利用者様の気持ちが前向きになることは、ご利用者様の生活の質の向上にもつながります。
些細なことも報告することは大切だと実感しました。
まとめ
介護に限らずとも、報告・連絡・相談は仕事においてとても大切なコミュニケーションです。
些細なことでも、こまめに報告・連絡・相談を行うことで、円滑なコミュニケーションをとっていくことにつながります。
事実を正確に報告し、必要な相談を行い、ご利用者様にとってより良い介護サービスを提供していけると良いですね。